〔お代はいらねぇから、もらってってくれ。
買っても次の日、必ず返してくる。
理由は、わからん。
だから、お代はいらねぇよ〕
『…そうですか』
〔返しに来ないことを願うよ〕
そうなんだ…。
この刀…。
私が持った瞬間、私の血が沸騰したように熱くなった
『はい。ありがとうございます』
不思議な刀だ
私は、その刀をギュッと握り、桜の木の下に戻った
服装は、あのお店で着替えさせてもらい、巫女装束から男着物に。
茶髪のロングストレートの髪は、頭の上に赤のゴムでポニーテールをして、
腰にさっきの、白桜をさした
『…そうくん と としくんか』
あんなに小さくて可愛かった二人が、あんなに大きくなっちゃって…
としくんなんて、副長だよ
そうくんは無邪気さが残ったままの可愛い男の子。でも、思ったよりも男の人
みんな、私の思い出せない記憶の中では幼いのに、
今、私が見ている現実では、大人なんだなぁ
…なんで、こんなこと考えてるんだろ
シュッ
『っ!!…なにこれ』
考え事してて気付かなかった。
いきなり、横から刀が私に向かって飛んできて、私の頬をかすった
そこから、血が出る
沖田さんと藤堂さんがいってた通り、私は怪我する名人だね


