『…終わったよ。兄様』
「ゲホッ…。あぁ。ありがとう」
何時間かかっただろう。
この空間は時間がわからないからな。
「萌。ボスが動き出した」
『…どうすれば、いいの?』
「白桜をずっと離さないで持っとけ。
決闘は数日後だろう。
疲れをためるなよ」
『わかった。兄様もね?』
「あぁ」
その決闘が近いからなのか、いつもより兄様が大人っぽく見える。
「俺は疾風の所に住み着くかな」
『大丈夫?』
「あぁ。その時が来たらまた来るよ」
『…うん。…気をつけて』
「おぉ。萌、ありがとな。お前が妹でよかった」
兄様が私の頭を優しくなでながら言ってくれた。