『土方さん。これから私がここから出てくるまでだれもこの部屋に入らせないでください。のぞくのもダメです。聞き耳たてるのもダメです。天井からもダメです。
いいですか?』


「あ、あぁ。それはいいが…。いつ出てくるんだ?」


『わかりません。でも、いつか出てくるでしょう。それまでご飯も飲み物もいりません。
では』




土方さんに一礼して部屋に入った。




『…兄様。アレ、やるよ』


「っ…。わかった。たのむっ…」




鬼の姿。純の鬼しかできないある事。



兄様を部屋のど真ん中に寝かせ、兄様にまたがる。





ーー(いいの?




うん。暗号も覚えてる。

これしか、できないから。




ーー(そう。頑張りなさい




うん。




一回深呼吸をして兄様の心臓部分に両手を重ねておいた。


そして、文字では表せない言葉を早口で唱える。



唱え終わり、歯で自分の指をきり、手を重ねていた場所に丸をかく。




すると、黄色い光が私と兄様を円に包み込んだ。



ここ光の中で治療を始める。