「ほらほら、今誰にもみられてないんだからさ」
『…でも、沖田さん…。いいんですか?』
「はい」
『い、いいんですか?』
「はい」
確かに、白桜も廊下でガミガミと馬鹿どもを叱ってるし、上にいた山崎さんもどっかに行った。だれも見ていない。
『じ、じゃあ、の、飲んでも…』
「いいですよ」
首に口を近づけると、甘い匂い。
もう、我慢できない。
ペロッと首筋を少し舐めて、そこに噛みついた。
ドクドクと口に流れ込んでくる沖田さんの血を飲み込む。
力が戻ってく。
血が、体の中で騒いでる。
『ぁっ…』
口のはしから血が少しもれて私の手にポタッと落ちる。
今まで飲んできた人よりも美味しい。
何倍も美味しい。
牙をゆっくりと首筋からはなす。
少しまだでる血を最後まで吸うと、首筋から口をはなした。


