『…はぁ、無駄な血、また出しちゃったな…』



シュッ



「あの女、未来に帰ったんですか?」


『はい。きちんと殺してませんよ?』


「…じゃあ、その血のついたナイフは…」


『私の血♪』


「…そ、そんな満面の笑みでそう言われましても…。まず、手当てしなくては」




山崎が私の手を掴んで屯所の中にはいり、
ある部屋の前についた。




『忘れてないですか?私、傷はすぐに治るんですよ?』


「…そうでしたね。
波さん、腕出してください」


『は?…はぁ…』




右手をスッと出すと、山崎さんにギュッと強く捕まれ、一瞬で腰にあった私の刀を鞘からぬき、私の腕をきった。




『っ!!ちょっ!!!山崎さん?!!!』




あまりに一瞬なことで、山崎さんは白桜を使ってもなにもおこらなかった。




「はい。これで手当てしないとダメになりましたね」



きられた手首から出た血が床にポタポタとおちる。




スパンっ




ゲシッ


ドンッ




『はっ?!!!』


「借りは後で返してもらいますからね。波さん」


『はぁぁぁぁ?!!!!』