「平成に戻ってよ」
『へいせい?なに?それ』
「とぼけないで。平成でもモテるからって次は江戸に男を求めるなんてね」
馬鹿なんだよ。君は。
男を求めるのは加藤でしょ?
『はぁぁぁ。加藤さぁ。未来から来たんでしょ?』
「そうだけど」
『じゃあさ。未来の他人が歴史を変えていいと思ってんの?』
私は未来にいたけど江戸っ子。
兄様にも変えていいと許可は出ている。
なのに、加藤は未来に元々いた人間、この歴史とはなんの関係もない他人のくせして歴史を変えようとしている。
「それはあんたもおんなじでしょ?
未来から来たんだから、他人じゃん」
『私は他人じゃない。普通の江戸っ子。
勝手にあんたが言う未来の人間にしないでくれる?』
殺していいかなぁ。この女。
スッ
『ククッ。なに?そのナイフで私を殺すの?』
「そうだけど。あなたは邪魔なの。
この時代は私が全て変える!!
有名人になってまた未来に帰るの!!」
手に持っているナイフを私に突きつける。
私は無表情。


