「だって蒼くん、あたしのこと好きって一度も言ってくれてないし…」
そうなのだ。
あたしが蒼くんが本当にあたしのこと好きなのか気になったのには、それにも原因がある。
あたしは蒼くんと付き合ってから、一度も好きと言われてないのだ。
告白の時だって、いいよ。しか言われてないし。
「あー、言ってなかったっけ?」
気まずそうにあたしの前にしゃがみこむ蒼くん。
それにコクンと頷く。
「愛理のこと、好きだよ」
あたしをぎゅっと抱きしめてくれた蒼くんに、また涙が出てきた。
「…なんで泣いてるのさ」
「うっ、だって…蒼くんが…ヒック、好きってやっと言ってくれたから…うー」
そのあとは、蒼くんにおんぶされて家に帰ったとさ。

