「蒼くんっ、きゃっ!」
ドンっと鈍い音がして、あたしの身体は地面に倒れた。
「いった…」
膝を見ると、赤くなって血が出ていた。
でも、蒼くんを追いかけないと!
足に力を入れて立ち上がろうとするあたしに影ができた。
「…バカなの?」
「あ、蒼くん」
先を歩いてた蒼くんがあたしの目の前にいる。
あたしは今ひどい顔だろう。
「蒼くん、あのね、」
「あー、もう。
僕が悪かったから謝るよ」
その言葉にポカンっとする。
「愛理が嘘ついてたの知ってる」
え?え?
「愛理の嘘にノったら、どんな反応がくるのか気になったんだよ」
そう言って、さらさらの茶髪をガシガシかく蒼くん。
「…じぁ、あたし嫌われてないの…?」
その言葉に、蒼くんは、はぁ?とあからさまに呆れた様な顔をする。

