エイプリルフール*嘘でキミの気を引こうと思います!






「あっそ」





蒼くんの想像以上に冷たい声に、あたしの身体は固まる。





「じぁ、別れようか」

「……いいよ」




ニッコリ笑いながら言ってくる蒼くん。


それに衝撃を受けながらも、その言葉に思ってもない返事をする。




その途端、目の前がぼやけた様になり、急いで荷物をまとめて、蒼くんの家を飛び出した。





…あたしが集中してなかったのが悪いし。
嘘をついたのだって悪かったと思ってるけどさ…。

自己中だと思うよ⁉︎




でもさでもさ!



「…あんな笑顔で別れようなんて言わなくてもいいじゃんか」





あれじゃ、あたしのことが嫌いで別れるのが嬉しそうな感じじゃん。




やっぱあたしのこと好きじゃなかったのかな…?




「あれ?愛理じゃん」

「…あ、拓海」

「え、ちょっ!
どうして泣いてんだよ⁉︎」






あたしのもとに駆け寄ってきた拓海は、ぎこちなくあたしの頭を撫でてきた。