「…はぁ」

「愛理?ちゃんと聞いてる?」



あたしの顔を覗き込んできた蒼くん。




「あ、ご、ごめん!
聞いてなかった!」




もう一度ごめん。と、謝ると蒼くんはため息をついた。


そして、あたしに呆れた様な顔を向ける。




「もう今日は帰れば?」




その言葉に、胸はぎゅっと締め付けられた様に痛くなる。




「…えっ、あ、あたしまだ勉強できるよ!」





親指を立てて蒼くんに向けるも、その目は冷たい。




「いいから、帰りなよ」

「……っ」




そりゃ、あたしが集中してなかったのが悪いけどさ…。




そこであたしは幼稚なことを考えてしまった。


1年経っても素っ気ない蒼くんが本当にあたしが好きなのか確かめること。





今日は確か4月1日。
エイプリルフールだ。






「……蒼くん」

「なに?」

「あのね。





















あたし、蒼くんより好きな人できた」