知りたくなかった本当の気持ち

私は堪えきれない数滴の涙を流してしまった。


それに気づいた彼。


何を言われるのか不安だった。 


しかし彼は何も言わず、優しく背中を撫でてくれた。



「じゃあな。

送ってくれてありがとな」



私の家の前まで来ると、若王子はそう切り返した。


「......待って!」


言わなきゃ。


彼が...勇気を出して私にしてくれた、告白の返事を。


「ん?」


「あのさ...。

この前の返事...したいんだ。


今、いいかなぁ?」