何でここにいるのかわからない。


ここは私が住んでいる町じゃないよ。

電車で一時間もかかる所にある街だよ。


何でいるの?


「何してんの?」


「俺の方が気になるよ。

何でお前...こんなでっけぇ会社から出て来てんだよ。


何してたんだよ」


彼の言葉で目の前にある涙を手で拭いた。


「別に...

何でもいいじゃない」


若王子にそっけない態度をするのは慣れているのに。


何で今心の中に違和感があるのだろう。


それが悟られないように、私は動き出した。


「待て!」


「なによ?」


少し焦った感じで、引き止められた。


『もう一度言う。


俺は來奈が好きだ!

ずっと前から。


だから...俺のそばにいてほしい』