そう思いながらも、書斎に向かった。


無言でそのドアを開けると、また昨日みたいだ。


父さんと兄さん、琉生さんが席に着いている。


また私はこの二人の前で怒られるのか。



「お前はもう神崎くんと交際しなくていいからな」


最初に言われたのが、この父さんの言葉。


嬉しさと驚きがある。


黙って父さんの方を見る。


「もうお前には何も期待しない。

好きにしろ」


そういうことか。


私はただの...手が掛かる居候って所か。


ここまで来るともう、反抗する気も起きない。


しかしこれだけは言いたかった。



「何で私はよりによってここに生まれてきたんだ。


男として生まれてこなかったんだ。


もっと家族と大切な時間を過ごしたかった」


小さな声で他人に聞こえるか聞こえないか。



そんな調子で言った。