知りたくなかった本当の気持ち

「え、まさか本当に私に手を出したの?」


照れ隠しをしている彼に訊いてしまう。


そんな反応されれば、答えなんて推測できる。


でも今の私は、何もが信用できない。



「そんなつもりなかったんだけどな。


秦野が辛そうに眠っていたから...


何かしてあげたいって思った。
 

俺が秦野の背中をさすると、安心したような顔で寝ていた。


でもどこか苦しそうで。


手を握ってやったら、徐々に呼吸も安定していってて。


俺は寝てしまってたんだ」



.........

私、寝ながら風磨君に迷惑かけていたんだ。



「ごめん...」


私はその一言しか言えなかった。