......ん?

今なんて言った?


「名前に...王子...が付くの?」


名前に...だよね。



「お!來奈が食いついた!


まぁ名前っつっても、名字だけどねー。


だから同じクラスじゃない人はみんな、王子って呼んでるよ。


もちろんあたしもその一員。   


ちなみにそれだけしかイケメン君の名前は知らない。


...って來奈!?

どうしたの?」



里桜が嬉しそうにその王子君のことを話している中、私は顔が青ざめている。


まさかね。


あの人じゃないよね。



もうアイツは...ここにいないんだから。



私が必死に言い聞かせている所を、彼女は不振がっている。