知りたくなかった本当の気持ち

そう。

小さい頃は険悪な父さんの雰囲気から逃れる為に、よく兄さんを連れ出していた。


でも今は違うんだ。
  


それに私は兄さんの本音を知っているんだから。


「はな...してよ」


私がそう拒むと、兄さんは離してくれた。


部屋のソファに座る琉生さんを見る。


そしてずかずかと部屋に入っていく。


「笑いなさいよ。

私が...來奈が惨めだって笑いなさいよ...。」


襟を掴んで、涙を堪えきれないまま言う。


何で黙ってんの?


兄さんに本性をばれるのを恐れているから?


そんなの私は知らない。



「見てなさい!

あとで父さんと話すんだから...!


逃げないで聞きなさいよ」



そう言った私はニヤッと笑い、襟を離し、部屋から出たのだった。