知りたくなかった本当の気持ち

「お前すぐ寄り道するから、俺が送り届けてやんねぇとな」


「とか言うけど、あんたも寄り道するように仕向けることあるでしょ」


なんてまんざらでもない態度を取り、彼の行為を了承する私だった。



夜道をある一定の距離を保ちながら歩く私たち。

私が離れているんだけどね。


これは普通、琉生さんとしなきゃいけないんだなって思ってしまう。



「俺さ...。

前からお前に言いたいことがあったんだけど」


「ほらまた寄り道させるつもり?」



なによ...。

真剣な声して。


いつもそう。

突然真剣な顔して、目で訴えてくる。


だが今は真っ暗なため、相手の姿しか見ることしかできない。




「ずっとずっと前から言いたかったこと、今ここで言う」