いつの間にか放課後となっていた。

それだけ私は放心していたということか。


里桜の声かけに、素直に応じることができない。


「もう!
そんな來奈に!
この人連れてきたから!」


そう言われ、一瞬ビクッとなる。


だって里桜、若王子のこと気に入ってるでしょ?


万一のことがあるし。


「秦野、大丈夫か?」


私の目の前に現れた人物は、風磨君だった。


いや嬉しいけど...。


今は彼と話す気分になれない。


私は何も言葉が出ないまま、風磨君を見続けてしまう。



「少しは肩の力を抜いて、リラックスしなよ。

俺は精神的に参っている時、そうするよ?」



さすが風磨君。