知りたくなかった本当の気持ち

早くどっか行ってよ、若王子。


「で?來奈は何やってんだよ?」


そう言われ近づいてこようとする若王子。


「嫌だ!来ないでよ!」


私は大きな拒絶反応を見せ、里桜の手を引っ張って学校に向かったのだ。



「來奈......あんたホント大丈夫?」


校門の所で私だけが息を切らしている。


動悸が起こっているのがわかる。


里桜の心配に、すぐに応えなきゃと思う。



「わかったでしょ?

私が昨日、どんなに辛い目に遭ったのか」




「わかったけど...

康くんも関係あるの?」


...そりゃないけれど。   


でも若王子が引き金となったのは確かだ。


それを里桜に伝えようとは思わなかった。