私はこの短い期間で、神崎さんを名前呼びにするようになった。


それを合図にしたかのように、琉生さんは少しずつ私への態度を冷たくしていった。



「そうなんだ。
きっと來奈の言う通り、疲れてるんだよ!

突然肩揉みでもしてあげれば?

ビックリして優しくなるかもよ?」


彼女のアドバイスを実践してる時の自分を想像すると、照れてしまう。


私は気づかぬうちに、顔を赤くしていたみたいだ。


「あー!來奈が照れてる~!

それだけで照れるなんて、やっぱ可愛いんだから~」


里桜のからかいに、ますます顔を上げにくくなってしまった。



それから私は他愛の無い世間話をした。




「ねぇ來奈、どこ行くよ?」