「これからこれを使うことくらい、言われなくてもわかるよ」 「ただ表面上の事をわかるだけじゃ、俺は納得しないよ?」 「表面上? 何か裏の事があるの?」 私の発言にクスッと微笑む相手。 「來奈ちゃんは恋したことないの? 俺が思ってることは、単純なことだよ。 まぁ今の事は別に、わからないといけないこともないから気にしなくていいよ」 そういうと彼は机の方に向かった。 これから持ち帰った仕事でもするのだろう。 「私もこのまま寝るわけにもいかないから、部屋に戻るね」