絞り出した声は、あまりにも小さかった。
そして私は地面に倒された。
怖くて立ち上がろうと思えない。
「わりぃ。 つい...。
これじゃあ前とかわんねぇよな」
私はこの言葉に驚いた。
え、反省してるの、と思って。
だって視線が私と合ってないわけだし。
今のは大丈夫だと、心に聞かせよう。
彼のあの言葉で、私の心は少し軽くなった。
そしてまた私たちは座り合った。
謝ってくれたってことは、昔のことも絡めてるのかな。
そんなわけないか。
昔のことを謝るなんて。
そんな素振り1度も見せてくれてないし。
「所でさ...おまえ」
今度は声のトーンをいつも通りにして、神妙に言っている彼。


