さっきより少しだけ彼の声のトーンは落ちている。
「教えろ」
ヤバい。
若王子が怖くなってきた。
思いっきり素直だった頃の私がーー頭によぎる。
そして表情が怖くて、今からでも私を封じ込めようとしたあの頃の記憶が。
余裕なんて見せちゃいけないのに...。
信じない方がいい自信を信じ、私はこの前風磨君に言ったことを彼にも言った。
自分の体を寝かせて。
「座って川を見て考え事したり、こうやって寝転んで空を見るのが良い。
そう言ったんだ。
あんたにはわからない気持ちだよ」
そうだよ。若王子にはこの気晴らしの良さがわからない。


