知りたくなかった本当の気持ち


それからクラス全員分を重ね、一つにまとめる。


「じゃあ私が持っていくから、大北君は帰っていいよ」



別に周りの人に自分がいいように見られたくて、こんなこと言ってるんじゃない。



「これくらい俺がやるよ。

プリント貸して」



「いいよ、いいよ。

普段から学級委員の仕事って言われたら、すぐに大北君がほとんどやっちゃってくれてるから。


これくらい私がしなくっちゃ」



そう。

学級委員でやる仕事を普段から、彼にしてもらうことが多いからだ。



こんな些細なことしか私はできないが、できることなら力になりたいのだ。



「じゃあ秦野さんに任せるよ。

ありがとう」


と私の言うことを聞き入れた彼は、帰る支度を始めた。




そして私は職員室へと向かった。