知りたくなかった本当の気持ち


「わがまま言ってもしょうがないし。


それにもうこんな事態、慣れたよ」



と言うと私は、風磨君の方に体を向けた。



彼は顔だけを向けてきた。


少しだけどきりとする。



「だから風磨君の言葉が嬉しかった。


辛くなったり、耐えられなくなったりしたら、頼るかも」



私は言った後で何だか恥ずかしくなった。



だから仰向けに戻った。



すると今度は風磨君が体をこちらに向けてきた。



「俺は構わないよ。


時間が許せば、俺は秦野の隣にいてやるよ」



なんて言ってくれた。



...そんなこと言ってくれたら、いつか好きになってしまうじゃん。



もう既に風磨君の声に虜になってしまってるのに。