「こうやってね、空を見るのも気持ち良いんだよ」
私が言うと、隣に風磨君も横になった。
「ホントだ。
疲れが取れる気がするよ」
風磨君にも私の好きな心地を実感してもらってる。
こんなこと、誰にも言わないつもりだったから何だか不思議な感覚。
「ウチはね。
父さんが社長で、兄さんが会社を継ぐことになってからね、二人はそのために一生懸命準備してる。
母さんもなんだかんだ言って、そっちに加勢してるし。
だから関係無い私は、1人なんだ。
最初は受け入れられなかったけど...
もう平気なんだ」
私は空を見ながら、ポツポツと言った。
「そうなんだ。
本当、寂しいんだな」


