「ここなんだ」
私が無理矢理つれていってる最中、会話は一言も交わされなかった。
空気が重いってこともあったから。
そして私が行きたかった場所に着いた。
自転車を停めた風磨君は、私に着いてきて数歩歩いた。
「この土手に座るのが好きなんだ。
川が見えるでしょ。
それを見ながら考え事するの、やめられなくてね。
何かあったらここに来てたんだ」
兄さんと仲良かった時でも、一人になりたいと思った中学時代は、よく来てた。
「確かにここなら、心を落ち着けられるね」
その場に座った私たち。
「ここが私の一番の好きな場所なんだ」
そう言って私はその場に寝転んだ。


