「ん?どうしたんだ? 要らねーのか?」 と次に彼は、私の目の前でヘアゴムを上下させる。 「もういい」 私はまた選びに行こうと、彼に背中を向けた。 だけど回り込んだ若王子は、真剣な目をした。 「お前ってさ...」 不意の沈黙にドキドキしてしまう。 相手は私から目を離さない。 「意外と胸でかいんだな」 と言うと、左手で私の胸を触った。 「何すんの!?」 咄嗟のことで力の制御ができないまま、若王子を殴ってしまった。