何と目の前にいたのは、あの若王子だったからだ。
彼は驚いたかと思うと、すぐにいつもの表情に戻った。
.........そっか。
今のはわざとやったんだ。
どこにいてもこの人に会えば、意地悪されるんだ。
「お前かよ...。
ただでさえちびのくせに、座り込んでたらもっとお前の存在に気づけねーじゃねぇか。
気をつけろ」
何その忠告。
休みの日まで貶されないといけないの。
しかもこっちに嫌味を言ったかと思えば、視線を反らしてどこか違う所を見てるし。
「ちびとか、そんな失礼なこと言わないでよ」
「は?事実なんだから仕方ねーだろ。
嫌ならでかくなりゃいいじゃねーか。


