ホウキを片手に廊下に続く窓を覗くと、やっぱりそこに智哉はいなかった。
……少し身を乗り出して2階の廊下を照らしてみても、なんの気配も感じられなかった。
一度図書室に身を引っ込めて、次は扉へ向かう。
「………開けるときに限ってなんか来たりしないでよ」
考えただけで身震いしてしまうような独り言を呟きながら鍵を回し、図書室から出る。
「………あ」
ふいに足下を見ると、血で靴の跡が出来てしまっていた。
きっと、ここあの血を踏んでしまったんだろう。
そっと靴を脱いで、靴下の状態になった。
床が冷たいけど、足跡を追いかけられて殺されるより全然マシだ。



