「………明美、図書室………鍵、持ってるでしょ」
「えっ!?」
その存在を思い出させるように、ポケットの中で鍵とプレートがカチカチと音を発した。
そうだ。中から鍵を掛けてしまえばいい。
佐久間の指差す教室…つまり、図書室に急いで駆け込んだ私は、ガチャリと鍵をかけた。
「明美…………!
鍵をかけても無駄だよ…?
ほら、早くあけて…ここあが可哀想でしょ!」
後ろから、ドンドンとドアを叩く音がする。
嫌だ。来ないで…
お願い早くどっか行って!
ここあはきっとそんなこと望んでないよ…
「…………………」
暫く耳を塞いで目を瞑っていたけれど、そのうち何も聞こえなくなって顔を上げた。
智哉は諦めたのか、ドアの前から姿を消していた。
「よ……良かった………」
はぁ…と息を吐くと同時に、目の前の存在に釘付けになった。
そうだ、佐久間が助けてくれたんだ。
「佐久間…ありがとう。
私あんたにろくなことしてこなかったのに…助けてくれるなんて思わなかった」
「…………」
佐久間はただ無表情で私を見ると、スーっと消えていってしまった。
「ええっ…佐久間?
消えた…?やっぱり幽霊なの?」
と言うか、幽霊なんだろう。
じゃないと人が消えるとか…ありえないし。
それに、佐久間は死んでる…んだよね。
なにがなんだかよくわからなくなってきた。



