「あ、明美っ!?」
180度回転して走り出した私に驚いたように、真理が声をあげる。
でも、構ってなんていられない。
もしかしたら広樹がいるかもしれないのだ。
全速力で駆けてきて、血が繋がっている教室…………思い出したくもない恐怖の始まり、保健室の扉を勢いよく開ける。
バンッ!と凄い音が響いて、中にいた人がこちらを振り向いた。
「……………とも、や…?」
見覚えのある黒い眼鏡。
間違いなく智哉だ。
無事だったんだ…!
「明美、いきなりどうし………、智哉っ?」
追い付いてきた真理も、智哉の姿を認識した。
自然と、笑顔が溢れる。
「良かった…智哉、無事だったんだね!
血が続いてたけど、どこか怪我でも…………」
笑顔で駆け寄っていった真理が、突如言葉を失った。
うっ、とくぐもった呻き声。
私の前の背中がぐらりと揺れて……そのまま、地面に倒れこんだ。



