「あ………明美!まって!」
空き教室を覗いて次の教室に行こうとした私を、真理が呼び止める。
「どうかしたの?」
「うん………その、それって…血、かな?」
明らかに恐怖を含んだ声を出す真理の視線を追うと、その床にはベッタリと赤い血がこびりついていた。
何かを引きずったような血のあと。
まさか…広樹じゃないよね?
「………辿ってみよう」
なんだか嫌な予感を感じつつ、ズルズルと続く血を辿る。
それは案外近くから続いていたようで、辿り着いた先は家庭科室だった。
「………真理、開けるよ」
「………うん」
中に何かが居ても気付かれないように、そーっと扉を開けて、中を覗ける隙間をつくる。
…………………。
……………何もない?
隙間から中を覗いても何も異常は見られず、勇気を出してガラリと扉を開けた。
確かに血はある。
でも、そこで途切れているだけで、死体なんてものはない。
…………まるで、そこから引きずり始めたような…………っ、そうだ。
ここまで引きずってきたんじゃなくて…逆だ!
もう一方。
この血の線のもう一方の端はどこ?



