「………ごめんねここあ。これ、貰ってくね」
一言掛けてから、鍵を持って音楽室を出る。
「あ…明美………ここあ、やっぱり……?」
「……………うん。ダメだった」
「…………そっか」
じゃあここあの分も…生きて帰ろう、と真理は寂しそうに笑った。
ここで挫けたら、私たちまで死んでしまう。
まずは広樹と智哉を探さないと。
広樹はここあの死を多分知っているけれど…智哉が知ったらどうなるだろう。
何だかんだで智哉はここあの事が大好きだったから、悲しくて堪らないだろう。
最愛の、幼馴染みの死。
それは私には想像できない感情を産み出すんじゃないかなぁ。
「…………二人を探そう」
私たちはどちらともなく立ち上がると、震える体であるきだした。
「明美…どこ行く?
二人は、どこにいるのかな…」
「………そうね……
足音は1階に行ったはずだから…1階にいるのかな?
少し、危険かもしれないけど…」
「…………仕方ない…か。
うん。もう、怖いとか言ってる場合じゃないよね。
私、もう泣かないよ…行こう、明美」
「真理……………うん。行こう」
怖がってる場合じゃない………広樹もそう言っていたよね。
それでもきっと真理は怖いはずだから、私がしっかりしなきゃ。
明るく振る舞って、ほんの少しでも真理を元気付けれたらそれでいい。
そんな決意を胸に、階段を降りていく。
1階まで無言で来た私たちは、これまた無言で一つ一つ教室を覗いていく。
1階は生徒玄関や空き教室、あとは家庭科室や保健室や職員室など。
何年何組といった教室は1つもない。



