………なんで振り向かないんだろう?
私がいるって、気付いてるはずなのに…
そう思った瞬間、ここあが走り出した。
「ここあっ!?待ってよ!」
慌ててあとを追いかけるが、暗闇のなかで追い付くことは出来ずに見失ってしまう。
「えと…下?それともどこか教室に入った?」
「なんだ?ここあがいたのか?
悪い、暗くて見えなかった…」
「………まぁ、仕方ないよね。
それより、さっきこの教室指差してたんだけど…何かあるのかな」
「………覗いてみるか」
そーっと慎重にドアを開ける。
4階は1年生の教室だから、私達2年生にはあまり関係のない教室。
入ったのは1年3組だった。
ここからではよく見えないが、机の影に人の足らしきものがある。
誰かがいる。
廊下と変わらない、ひんやりとした空気が漂う中、机と机の間を縫うようにして教室の奥に入って行く。
「………広樹」
「ん、どうした?」
徐々に鮮明に見えてくる人の姿に、鳥肌がたってくる。
細い足首…恐らく、女子だ。
でも、膝が明らかに間違った方向に曲がっている。
肉から突き出た白い…多分、骨。
上半身と下半身は別々になっていて、今気付いたが教室中は真っ赤に染まっている。
まるで、血を擦り付けたように、赤くて、赤くて…………



