「おーい、何やってんだよお前ら~
はやくこいって!」
「あっ、ごめん!今行く!」
私たちが怪談話を聞いてる間に先に進んでいた男子組2人が保健室の前らへんで手を振っている。
昼間はそうも思わないんだけど、夜で真っ暗だと廊下がやけに長く感じる。
歩きながら2人を照らしていると、ふと智哉が何かに気づいた様子で保健室を指差して広樹を呼んだ。
この距離では何を話しているのかわからないが、2人の動きか止まったのがわかった。
「………?男子、どうしたのかな」
その異変に私と同じく気付いたらしい真理が疑問を口にする。
その途端、男子二人がこちらに向かって全力で走ってきた。
「逃げろ、よくわかんないけどなんかやばいっ!!!」
「は?え、ちょ、何?」
「わ、わかんないけどとりあえず逃げようよっ」
「う、うん」
全力ダッシュで私たちを追い抜いた2人の後に続くように、私たちも走り始める。
さっき見た広樹と智哉の顔…なんだか、血の気が引いてた気がする。
まるで、恐怖にひきつったような顔をしていた。
階段をのぼろうと横に曲がったとき、チラリと今来た方向を見た。
その時…私は、見なければ良かったと後悔した。
たった一瞬だったが見えたもの。
腰くらいまである髪を振り乱し、走る女の子。
前髪もその後ろ髪と同じくらい、長かった。
その長すぎる前髪の奥には、笑顔があった。
口から血を垂れ流し、本来眼球があるはずの場所にはポッカリと黒い穴が開いているにも関わらず、不気味に笑いながら私たちを追いかけてきている。
なに?今の。どういうこと?
1つ確信したこと。
幽霊は、いる。
捕まったら、きっと殺されるっ!!



