すると、ぐるん!と私の視界が一回転した。
私が回ったというよりは、私だけ取り残されて世界がぐにゃりと曲がったような感覚。
思わず目を細める。
どうやら、場面が変わったようだ。
私は空を飛んでいるようで、普段は見ることのない上からの景色が見える。
地図を見ているように感じる。
だけど真理がその道を歩いているから、地図なんかじゃないんだと気付いたのだ。
遠目からでも怯えた様子がわかるくらい、怖がっているようだ。
これは…家に誰もいなかったから、私たちのいる学校に向かってる最中かな?
今真理が歩いている方向は真理の家と真逆で…そして、学校へ行く道だから。
『最悪…家に誰もいないなんて。
お母さん、今日は帰ってくるつもりだって言ってたのに…』
なんとなくくぐもった真理の声に、また心の声なんだと気付かされる。
半泣きの真理からは、愚痴ばかりが聞こえてきた。
『お母さんもお父さんもいっつも帰ってこないし…私にお金ばっかり与えて、それで育ててるつもりなの?
私はお金で動く機械じゃないのに…』
…………お金…………。
確かに真理は私が金欠だから遊べないって言うと、迷いもせずに「じゃあ今回は奢るよ!」って言ってくれる。
家も豪邸だし、お金はあるんだなってそこそこ感じてはいた。
でもお金だけ与えられてあとはほったらかしだなんて……。



