ここあは、何処か険しい顔で教室のドアを見つめている。
そういえば教室が静かで…だけど、何か聞こえるような。
「……にしては…………よ………」
この声、智哉だ。
何を話しているの?
疑問に思って扉をすり抜けようとした瞬間、中から怒鳴り声が聞こえてきた。
「何が『死んだよ』よ!
あなたたちが殺したようなものでしょ!?」
………………何処かで聞いたことのある台詞だ。
今のは、学級委員長の芽衣が私たちに向かって言った言葉…よね?
佐久間が死んだ時の。
「チッ………めんどくせぇな」
ぼそりと横で呟きが聞こえ、扉が開いた。
これはなんとなくさっきまで聞こえていた声と質が違う気がして…多分、心の声じゃなくて普通に呟いたんだろうと思った。
私が振り向いた時には、ここあはもうにっこり笑ったいつものここあのように見えた。



