私の不思議そうな顔に気づいたらしい中沢先輩。




「うちは、不純な理由の希望者は受け付けないからね。希望者は多いけど、実際マネージャーやってるのは、2人だけなんだよ」




と、教えてくれた。


毎年、顧問が入部希望の子集めて一喝してるんだ、と付け加えて。




本気じゃねえやつは今すぐ帰れ、選手に失礼だ、などなど…ありがたいお言葉をいただいているらしい。


そりゃ、図星さされたらもう怖くて部活に行けなくなるのも当然だ。




なるほど…


…怖すぎる、私は絶対に行きたくない。




思わず身震い。




「それで、話戻すけど」


「あっはい!」


「サッカー部のマネージャー、やってほしいんだ」




つまり、そういうこと。




確かに、めんどくさいからやりたくない。


先輩だけに頼まれてたら、さらに先輩効果で間髪入れずに断っていたと思う。




先輩は、私のその辺の性格をよくわかっていらっしゃる。


なんか複雑…。




でも今は、部員のおそらく全員に囲まれて、頭まで下げられたんだから、バッサリ断れない。




「うーん…」




だからといって、すぐに頷けるほどできた人間でもない私。