あの日失くした星空に、君を映して。



恥ずかしいけれど、待っててくれてるんだもん。


行かないと…


「深影、行こう」


隣に立つことができなくて、一歩後ろに立つ。


顔を見られないように俯いていると


「んむっ!」


グッと頬を持ち上げられた。


顔が、近い。


高台で遊んだ時以来の近すぎる距離。


肩を触れ合わせたり、背中を合わせたりすることはあっても深影は不用意に顔を近づけてきたりしない。


じゃあ今のこれは…なに?


深影の瞳の奥が熱を持ったように揺れていて、胸が高鳴る。


逆上せたんじゃないよね。


さっきまで普通だったもん。


「鏡華」


熱に浮かされたように、深影が私を呼ぶ。


上向けられた顔をどうすることもできなくて、視線だけを俯けた時


「っ……み、かげ?」


不意に深影の顔が迫ってきた。