あの日失くした星空に、君を映して。



「深影!あんた家隣なんやけん鏡華と一緒に行っちゃらんな!」


ズンズンと先に行ってしまう深影はちょっと不機嫌にも見える。


私なんか怒らせるようなことしたっけ?


工藤くんと手繋いでたこと?


そんなわけないよね。


もう風香と工藤くんとわかれる道だし、一緒に帰りたいな。


そう思っていると、背を向けたまま深影が足を止めた。


「なんなん、あいつ訳わからんな」


「2人のせいだと思うけど」


工藤くんがため息をつくけれど、意味がわからない。


私だけならまだしも、風香も?


なんで?


「風呂ん中で話してたの全部聞こえてたから」


じゃあ、と路地の曲がり角に消えていく工藤くん。


え…今なんて言った?


全部聞こえてた…って…


「あーまたやらかしたわ。ごめんな鏡華。あそこ声が響くんよ」


「いやいやいやいや、風香何言ってんの」


しまったって顔しなくていいよ!


それより…え?


聞こえてたってことは私が言ったことも全部だよね。