まるで、万華鏡のような恋をして


この瞳いっぱいに深影の姿を映したいと何度も思った。


ただそれだけのことができなくて、見えていない部分があるんじゃないかって不安になって。


それでも苦しみや悲しみは半分になりはしなかったから、後悔も同じだけ重なっていったけれど。


この瞳が色を映して、景色を映して、深影を見つめることができるのは奇跡なのだと知った。


今日の空が明日にはないように、今日あるものが全て明日にもあるわけじゃない。


だから、大事にしたいって思ったよ。


万華鏡を回すような私の恋が


ずっとずっと、続くといい。


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『万華鏡〜片眼の恋〜』