あの日失くした星空に、君を映して。



*

簡単な表彰式の後、教室に残ったのは私と深影、風香と工藤くんの4人。


午後6時を過ぎた学校には片付けに残った生徒が数人ウロウロとしているだけで、ほとんどの人が帰宅している。


スーツからTシャツに着替えたのだけれど、学校で制服じゃないってことにそわそわする。


深影の席の周りに集まって、他愛のない話をしていると、後ろ側のドアがガラリと開いた。


「お待たせー。ごめんな、うち片付け担当やったけんさ」


両手を合わせながら入ってきたのは美里さん。


隣のクラスを覗いたら忙しそうに片付けをしていたから、後で1組の教室に来てほしいって伝言を頼んでたんだ。


適当な席に座って、とりあえず「お疲れ様」なんて言い合う。


微かに潮の匂いを含んだ風が吹き抜けて、沈黙が落ちた。


「ほら、鏡華」


なかなか言い出せない私を深影が促す。


1つ大きく深呼吸をして、話を始める。


「あの…私、家の事情で11月に引っ越すことになって…」


それで、と続けようとした瞬間


「はあ!?」


遮るよう風香が立ち上がり身を乗り出す。