「アンケートって…なんなん?」
ようやく第一声を発した風香に、皆揃って首を傾げる。
すると補足するように放送が流れた。
『アンケートはね、外部から来られたお客さん達を対象に集めたものです。模擬店の商品に対しての評価ですよ』
そんなのあったんだ…
模擬店の商品ってことは…
「幸久ぁ!すごいやん!」
だよね!?工藤くんのおかげだよね?
ワンテンポといわず、かなり遅れて歓声が上がる。
皆に詰め寄られて戸惑う工藤くんはポーカーフェイスながらにどこか嬉しげで、つい笑ってしまった。
「何だそのラッキー」
「そんな言い方しなくてもいいじゃん。工藤くんすごいね」
深影は嬉しくないのかな。
「鏡華笑っとるけど、この後ちゃんと話せよ」
「わ、わかってるよ」
鏡華はすぐ躊躇うから早い方がいいって深影に言いくるめられて、この後すぐ話す…ことにされた。
工藤くんはともかく風香の反応が予測できるだけに、もうすでに引け気味というか…
美里さんも呼ばないといけないしね。
本題よりも美里さんのことの方が緊張するんだけれど…
そんな私を知って知らずか、深影が背中をポンポンと軽くさすってくれた。



