「悔しいぃぃ…!」
「やっぱり3年は気合い入っとんよな」
「ま、楽しかったやん」
口々に飛び交う皆の感想。
ほとんどの人が本気で優勝を狙っていたらしく、目に見えて落胆している人もいる。
上の階からの歓声が止まないうちに、また放送が流れる。
『次は準優勝!1年1組です。おめでとうございます!』
次は下の階から大歓声。
今年の1年生って3組まであるんだっけ?
それで3年生が2クラス、2年生が2クラス。
今更なのだけれど、本気で頑張れば優勝を狙えたんじゃないかな。
校舎裏で寝ていた時間が申し訳なくなってきて、スピーカーを見上げる風香の肩を叩く。
「風香、ごめ……」
言いかけた時、再びスピーカーから音声が流れ出す。
『で、今年は特別賞もあります!』
「は…?」
特別賞?
「そんなのあるの?」
「いや、去年まではなかった」
突然のことにクラス内がざわめき出す。
興味なさげだった深影までもが片眉を上げて続く放送を待つ。
『2年1組!アンケート1位おめでとうございます!』
拍手と共に送られた賞賛の言葉に、他のクラスのように歓声を上げることはなく、ポカンとしてしまう。



