あの日失くした星空に、君を映して。



「なっ…あんた最低やな!深影よりあたしのがいいやろ」


「ダメ」


「なんでなん…」


ガックリと肩を落として項垂れる風香。


そんな風香を気にも留めずに


「風香だと集中できないからダメ」


工藤くんが爆弾を落とした。


ピシリと音を立てそうなくらいに固まる風香と、目を丸くさせる深影。


私も戸惑って何度も瞬きをする。


確証がないからはっきりとは言えないけれどさ…工藤くんって結構風香のこと意識してたりとか、ない?


これが天然だっていうのなら、工藤くんはきっとすごい大物になりそう。


だんだんと顔を赤くする風香と平然とした工藤くんを何とも言えない気持ちで見つめていると、やけに大きなスピーカー音が流れ出した。


結果発表って全校放送なんだっけ。


騒がしかった室内が一気に静まり返って、皆がスピーカーに注目する。


『皆さん今日はお疲れ様でした!それでは早速集計結果を発表します』


ドキドキしながら発表を待つ。


優勝なんてって思っていたけれど、いざ発表されるとなると優勝として呼ばれたい。


『優勝は3年2組!おめでとうございます!』


そんな期待も虚しく、放送と同時に上の階から歓声が響き渡る。


「あー…ダメだったか」


そんな中でポツリと呟いたのは永田くん。


短いスカート姿の永田くんは両手を組んでスピーカーを見上げていた。