あの日失くした星空に、君を映して。



*

「あんたらどこ行っとったん!」


目の前にはすごい形相の風香、と冷めた視線だけを向ける工藤くん。


「ごめんなさい」


あまりの剣幕に素直に謝った、いや謝っても足りない。


風香が怒るのも当然なんだもん…


というのも、東高の文化祭の集計はその日のうちに出るらしく、現在午後5時過ぎ。


ついさっき終了の音楽が流れて、ゾロゾロと人の波が引いて行ったところ。


で、私と深影が教室に戻ってきたのもついさっき。


「何しとったん」


「ね、寝てました」


そう、あのまま寝てしまったんだ、私は。


起きたら何時間も経ってるなんて私が一番ビックリした。


深影も寝てるし、終了の音楽は流れ出すしで慌てて戻ってきたら風香が仁王立ちして待っていた。


深影が起こしてくれなかったせいもあるのに、さっきから私ばかり謝ってる気がする。


「深影が調理抜けたせいで大変だったんだけど」


大げさなほどのため息をつきながら工藤くんがぼやく。


深影がそんなに役に立つとは思わないんだけれどな。


「代わりに風香が来るとか勘弁してよ」


「はあ!?」


え、いや工藤くんそれは言っちゃダメなやつだよ。


1秒も経たないうちに風香が過剰に反応して工藤くんに詰め寄る。