あの日失くした星空に、君を映して。



不安と緊張を抱えてあれこれと深影の反応を考えていると、声よりも先に深いため息が聞こえた。


「ま、そうだよなぁ」


「え………?」


今…ものすごい軽い感じで言った…よね?


予測できないなりに悪い方に考えていたことが一気に打ち壊された気分。


ポカンと口を開けたまま深影を凝視すると、何変な顔してんのって笑われた。


「最近悩んでるっぽいの気付いとったよ。何も言ってくれんけん待っとったけど、やっぱりそんな話やったんやな」


「気付いたの?」


「鏡華は割とっていうかかなり表情に出とる。そうやなくても何となくわかるしな」


表情か…出してるつもりないんだけれどな。


ここに来てから表情筋が育ったのかも…じゃなくて。


「怒らないの?」


「は?なんで」


「だって黙ってたから」


黙って隠し事をすることは深影が一番嫌っていることだ。


「怒ってるに決まっとんやろ」


あ、やっぱり怒ってたんだ。


深影って怒ってる時のパターンに、表情に丸出しな時と内側でフツフツしてる時があるから、わかりにくい。


だいぶ察することができるようにはなったけれど、確信じゃない。


普通、怒ってる?なんて言ったら余計に怒らせてしまいそうだけれど、深影はそういうところがないから遠慮なく訊けるんだよね。