あの日失くした星空に、君を映して。



頼んだものが届くまでの間、大谷田さんが翔太くんのことを教えてくれた。


来年から小学生になる翔太くんをこの時期に転園させることに、大谷田さんも心苦しいみたい。


仕事の都合だから仕方ないとはいえ…翔太くんも寂しいよね。


そんなことは微塵も感じさせない明るい笑顔を見せる翔太くんも気を使っているところがあるのかな、なんて思った。


子供って案外そういうことに敏感だって聞いたことがあるし。


「実はね、今日ここに来たのは陽子さんが教えてくれたからなんだ」


「お母さんが…ですか?」


仕事を抜けられそうにないからごめんねって言ってたのに。


大谷田さんに教えてたんだ。


でもそうじゃなかったら隣町に住んでる大谷田さんが知り合いもいないのに高校の文化祭に来たりしないか。


「偶然だったけど会えてよかった」


「ビックリしましたよ。お母さんも大谷田さんが来るって言ってくれたらよかったのに」


「内緒にしててって頼んだんだよ」


驚かせようと思ってね、と大谷田さんが意地悪く笑う。


会えなかったらどうするつもりだったんだろう。