「わかっとったつもりなのに、幸久が目んとこ腫らしても何とも思わんかった」
「うん…」
「大事にならなかったからいいとか、そんなんやなくて、あれは俺が悪かった。幸久には謝ったけど、鏡華にも謝らんといけん」
…私にも…?
立ったままの私の前で、深影が深く腰を曲げる。
頭を深く下げた深影が低い声で言った。
「ごめん」
「み、深影、顔上げて…」
謝られる意味がわからなくて、慌てて顔を上げさせる。
低い位置から交わった深影の目がビックリするくらいに真剣で、金縛りにあったみたいに動けなくなる。
スッと伸びてきた深影の手が私の右目の近くに触れた。
ピクリと瞼が震えたのが自分でもわかる。
深影の双眸を左眼で見つめ返しながら、ジッとされるがままになる。
目元をなぞられる度にピクピクと痙攣するのももう、気にならなかった。



